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3月9日2012 UP
2012.03.09 【住職日記】 E-net 93号より 岩手 常堅寺住職 後藤泰彦 さん
岩手 常堅寺住職 後藤泰彦
昨年、私は3件の身近な悲しい自殺に接しました。1件目は桜の植樹地を探していた時のことです。ある小屋に等身大の人形が置いてあったので近づいてみると、人形ではありません。人間でした。2件目は知人の住職。3件目は友人の医師です。阪神大震災の時もそうだったように、被災地では傷ましい出来事が後を絶ちません。皆が生きる希望を見失っているのです。
そして、この冬の寒さの中で仕事もない人たちや、ストレスで依存症に陥っている人たちがどんなに多いことか。争いごとや金銭トラブルが増え、最後に行きつく先は悲しい結末です。
桜は鎮魂の意味もありますが、生きる希望を与える桜でもあるのです。この意味を歌に重ね、桜満開の頃、4月22日(日)に仙台市の桜の名所公園でレクイエム(鎮魂)と命の大切さ(自殺防止)を呼びかけるためのライブを開催します。
桜を歌った曲には悲しみを表現したものがある反面、愛・出逢い・そばにいる・共に歩いていこう、などの前向きで明るいものもあるように、歌には悲しみに向き合い、そこから一歩前に進もうという願いがこめられています。
曲は昭和の懐かしい頃が中心です。ケータイなどない時代、人とつながる「絆」がありました。夢や希望がありました。生き抜くというチカラ強さがありました。東北に今必要なのは希望です。お金やモノではありません。
生きるチカラを見失った時、桜を思い出してほしいのです。東北に涙と希望のサクラ咲け。桜の舞散る下で桜の歌を歌いましょう。
岩手県一関市川崎町門崎字舘畑309
電話0191-43-3932
手合せ桜プロジェクトホームページ http://en.sizentai.net/