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「満足よ」という 亡き母の声が聴こえる まつばらけいさん(会員)
先日、東京都町田市にある「町田いずみ浄苑」の桜葬墓地に、母と、医療過誤で30年以上前に生後2日で亡くなった弟を一緒に納骨することができました。
「やっと」というか「ついに」というか…。
母の遺骨は1年余り家に安置してありました。
母の死が間近に迫ったとき、母が思い残している弟の墓をどうするかということを話し合い、エンディングセンター代表の井上治代さんに相談したところ、ガーデニングが趣味の母は樹木葬に心ひかれたようでした。
母が亡くなった後、見学会やミニ講座に参加
し、「桜葬」とする家族の意思が固まりました。お参りされる方々に負担の少ない首都圏で、希望通りの樹木葬となり、母の「満足よ」という声が聴こえるような気がしました。
桜の花には私たちにも特別な思い出があります。母と最後に見た千鳥ヶ淵の桜吹雪。母が日赤医療センターを死に場所に決めた理由の一つは、庭の桜並木に惹かれたからでした。
埋葬の当日は親族や母の高校時代の同級生、がん患者会の仲間など、約30人が参加しました。
私の大学時代の恩師は「戒名もお坊さんもなし。
芝生の穴の中に入って、ものすごーく自由な感じ」と感激していました。他の参加者からも「すばらしかった」という感想が寄せられ、誰にとっても新しい体験であったことは間違いありません。
今後、桜の花の季節がめぐってくるのが楽しみであり、桜の苗木とともに「ゆるやかな共同体」が育まれていくことも大きな楽しみです。